エントリーシートの内容添削などをしていると,文章力が足りない学生が多いと感じるそうです。ボキャブラリーが少ないのは致し方ないとしても,接続詞の使い方を間違っているとか,漢字を間違っているとか,基礎的な力が足りないところが目につくとのこと。
おにぎりを片手に語り合った中では,ブログの読み書きや,携帯小説のようなライトノベルなどで,口語表現の読み書きには親しんでいるけど,常体文(である体)で文章をまとめるのが苦手なのではないかという見解で一致しました。
しかし,さてさて,これは大きな問題です。
論理的な文章構成力は就活にも必須ですし,社会人としての基礎力として求められるものでしょう。小中学校での国語教育のあり方から考えるべき大きな問題なのですが,現実として「書けない」学生を指導している身としては,大学教育の中でどうやってトレーニングするかを考える必要があります。
ちょうど私自身も,今年の卒論の指導を振り返って,文章を書く訓練が少なかったかと反省していたところです。卒論を書くこと自体が,その問題での最大の課題となるのですが,卒論指導は研究内容のディスカッションも平行しながらとなるわけで,文章構成を隅々まで指導することはできません。何かしら,卒論執筆に到達する前に,ゼミでの活動の中で文章力を磨く術はないでしょうか。
これに対して,先述の事務員さんが,ゼミでの質疑を議事録としてまとめる課題を実施してみては,と提案してくれました。彼女の以前の職場(某大手メーカ関連会社)では,新人教育のひとつとして,議事録作成を小さなグループのミーティングからはじめて,徐々に重要会議へとランクアップさせることをしているそうです。
議事録を書く,つまり,質問とその回答を要約して記述することは,その本質を素早く理解し,口語体でのやり取りを常体文で書き下すという二つのタスクを遂行することになります。また,同時に,その内容に関する専門的な知識が無ければ本質を理解できないので,不明なことを質問して理解を深める努力の助けにもなります。
これはいいアイデア!来年度のゼミでぜひ実践してみようと思います。
書いてくれた文章へのフィードバックがなければ意味がないので,まずは
- 毎回のゼミで,発表者とは別に議事録担当者を指定
- 担当者は,その日のうちに議事録を研究室MLに投稿
- 教授と私が,文章や内容について修正点を指摘
定着してきたら,ツイッターで教えてもらった
議事録用のプロジェクタで,担当者の書く文言をみんなで確認できると,その場で相互評価もできていい訓練になるという環境も試してみたいですね。プロジェクタが二個いりますが。
2 comments:
それ,いいですね!
うちもやろう!!
>kotaro1976
ぜひお試しください!
うちでも,今日のゼミから開始ですが,試行錯誤が続くと思います。
よりよい活用方法を一緒に模索しましょう。
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