今日は,ミュンヘンフィルハーモニーのコンサートを聴きに,ガスタイクへ行ってきました。ガスタイクとは,図書館や市民大学施設などからなる複合文化施設の総称でもあり,正確にはガスタイクのフィルハーモニーというホールに行ってきました。地図はこちら。(中心の水色の屋根の不整形な建物がホール部分)
本日のプログラムは,シュレーカーの「夜曲」,マーラーの「リュッケルト詩による5つの歌曲集」,ブラームスの交響曲第4番。指揮はもちろん,クリスティアン・ティーレマン。ソプラノはルネ・フレミング。
ガスタイクは一度入口までは来た事があるので場所に不安はありません。しかも,昨日のヘラクレスザールと違って,付近も明るいので安心です。入口を入ってからも広くて明るい。昨日の不安は全くありません。
ホールは,壁面は主に木材で構成されたワインヤード型の大型ホールです。形状は不整形。今回座った座席は上手側の2階席だったのだけど,全体やステージが不整形なだけでなく,なんだか傾いている感じ。座席の列に対して通路がナナメに設定されていることによる錯覚かもしれないけど,なんだか階段は歩きにくく,フラフラしてしまう。実際,みんなフラフラしてた。
響きは,どちらかというとデッドなホール。でも,バランスはいい。響きに包み込まれるような快感はないんだけど,オケの各楽器の動きが目に見えるように聴き取れる。もちろんオケの腕によるところもあるだろうけど。弦セクションがバランス良く響き,木管アンサンブルが綺麗に溶け合い,金管も心地よく寄り添う。ただ,最後列の打楽器の響きがちょっと分離しちゃうのが残念。
ただし,終演後に別の場所で聞いていた人に感想を聞くと,木管が埋もれていたらしいので,座席によって違うのかも。「座席によっては...」という昨日のおばちゃんの話を思い出し,おばちゃんが正しかったのかと納得。
演奏も素晴らしかった。特に前半。知らない曲だったけど,すーっと引き込まれる感じ。後半のブラームスもしっかりと構成された,緻密な演奏という印象。何より,常にティーレマンが主導権を握っている!という状況(ある種の恐さ)を常に感じさせる演奏でした。4楽章中間部のフルートでさえ,ティーレマンの左手と繋がった糸で操られているのかというくらい。もちろん良し悪しですが。
昨日の「Wiesnの暴走ジェットコースター」になぞらえて,敢えて乗り物に例えるなら,メルセデスかなんかの高級車という感じかな。もしくはICEの1等車とか。すごい運転をしても全くもって安定してるという感じとか,ちょっと手の届かない感じとか,ちょっと無機質な感じとか。
いい演奏だったし,満足なんだけど,どちらかというと昨日のバイエルン放送響の方が好き。なんでだろ?
昨日は石造りで良く響くホールのオケの表情まで見える場所で,今日は遠く離れていてなおかつデッドなホールで聴いたので,その違いかもしれない。昨日は隣が地元のおばちゃんでちょこっと喋って面白かったけど,今日の両隣はおっちゃんでまったく会話が無かったという無機質さもあるかもしれない。それともやっぱり,ティンパニストへのシンパシー?
いずれにせよ今は,ミュンヘンフィルはいいオケだし素敵だとは思うんだけど,バイエルン放送響の方が気になる存在。別にもう一度壊れかけのジェットコースターに乗りたいってわけじゃなくって,シェフであるヤンソンスが振るコンサートで彼らの本気を見てみたい。
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